ハンディ端末・卓上タブレット・券売機まで含めた注文方式そのものの比較はオーダーシステム4方式の比較で解説しています。本記事はお客さまのスマホで注文する「モバイルオーダー」の料金に絞ります。
モバイルオーダーの料金体系は3タイプに分かれる
結論から言えば、モバイルオーダー(QRオーダー)の料金は3タイプに整理できます。毎月払うサブスク型、売上に比例する決済手数料型、最初に一度だけ払う買い切り型です。
この構造を先に押さえるだけで、各社の比較は一気に楽になります。
① サブスク型:月額固定で払い続ける
Airレジ オーダーやスマレジ・ウェイターに代表される定額方式です。POSレジ連携やハンディ端末など、機能は充実しています。
一方で、使い続ける限り費用が発生し続けるのが特徴です。
② 決済手数料型:月額は安いが売上に比例して増える
STORESやSquareのように、月額を抑える代わりに注文経由の決済へ手数料(3%台が中心)がかかる方式です。事前決済ができる便利さの裏で、売上が増えるほど支払いも増えます。
仕組みの詳細は決済手数料ゼロの仕組みの解説をご覧ください。
③ 買い切り型:一度払えば月額0円
導入時に一度だけ支払い、その後の月額が発生しない方式です。当サイトを運営するタクメニュー(29,800円税込・買い切り)がこのタイプ。
詳しくは買い切り型モバイルオーダーの解説記事にまとめています。
それでは、主要サービスの料金を一覧表で見比べていきましょう。
主要サービスの料金比較表(2026年7〜8月確認時点)
各社の初期費用・月額・決済手数料を一覧にしました。細かい条件は表の下の注記にまとめています。
| サービス名 | 初期費用 | 月額 | 決済手数料 | 決済連携 |
|---|---|---|---|---|
| タクメニュー | 29,800円 買い切り※1 | 0円 | 0円 | なし(既存レジ) |
| ひまわりオーダー | 30,000円 買い切り※6 | 0円 | 0円 | なし |
| QR注文くん | 0円 | 980円※7 | 0円 | なし |
| EASY ORDER | 0円 | 0円(広告表示)※8 | — | — |
| ビヨンド注文 | 0円 | 3,300円 | 公表なし | — |
| Cloud Menu | 0円 | 約4,800〜8,500円 | — | なし |
| Square(店内セルフオーダー) | — | 3,375円/9,180円※2 | 3.6%/3.3% | あり |
| STORES モバイルオーダー | — | 9,900円〜※3 | 3.6%+10円 | あり |
| スマレジ・ウェイター | — | 12,100円 | — | POS連携 |
| ユビレジ QRオーダー&決済 | — | 15,000円(税抜)〜※4 | — | POS連携 |
| Airレジ オーダー(店内) | 110,000円※5 | 17,600円 | — | POS連携 |
| dinii(参考) | 初期30〜40万円クラス・要見積 | 44,000円(税抜)クラス | 1.888%〜 | あり |
※1 税込・初期設定代行込み。決済機能なしのため会計は店の既存レジ。 ※2 プラス/プレミアムの2プラン。 ※3 テイクアウトのみは月額0円プランあり。手数料は注文経由の決済にかかります。 ※4 POS本体(月額7,590円〜)が別途必要。 ※5 キッチンプリンター利用時。店外(テイクアウト)版は月額0円+注文額の3%。※6 個人開発の買い切り型。公式サイトの公表内容(2026年8月5日確認)。メニュー初期登録の代行は有料オプション。 ※7 店舗側はAndroidアプリのみ(iPhone/iPadでは利用不可・2026年8月9日確認)。テーブル数・メニュー数は無制限、1テーブルは無料で試用可。 ※8 お客様の注文画面にバナー広告が表示される無料プラン。広告を非表示にする有料プランは月額15,000円(税抜)。 「—」は該当なし、または公表情報で確認できなかった項目。diniiは要見積のため導入記事ベースの参考値。月額は断りのない限り税込表記です。
ただし、この表の金額だけでは判断できません。次は「使い続けた総額」に直して比べます。
総額は「24か月使ったらいくらか」で比べる
月額の大小だけで選ぶと失敗しやすくなります。おすすめは2年(24か月)使った場合の総額に直して比べることです。
- Airレジ オーダー(店内): 17,600円×24か月=422,400円。プリンター利用なら初期110,000円が加わり532,400円。
- スマレジ・ウェイター: 12,100円×24か月=290,400円。
- STORES: 9,900円×24か月=237,600円+決済手数料。注文経由の決済が月30万円なら手数料は月10,800円(+件数×10円)、24か月で約259,200円が上乗せ。総額はおよそ50万円規模。
- Square プラス: 3,375円×24か月=81,000円+決済額の3.6%。
- QR注文くん: 980円×24か月=23,520円。24か月時点ではタクメニュー(29,800円)より6,280円安く、逆転は31か月目です。
- EASY ORDER: 無料プランのままなら0円(お客様の注文画面に広告が表示されます)。広告非表示の有料プランは月額15,000円(税抜)で、この場合は2か月で買い切りの総額を超えます。
- ビヨンド注文: 3,300円×24か月=79,200円。
- タクメニュー: 買い切り29,800円のまま。何年使っても増えません。
買い切りが月額型を逆転するタイミングも計算できます。月額9,900円のSTORESとなら29,800円÷9,900円≒約3か月、月額12,100円のスマレジ・ウェイターとなら約2.5か月です。
一方、月額数千円台の低価格サービスを短期間だけ使うなら、月額型の方が総額が安く済む場合もあります。自店の月商や利用年数での総額は料金シミュレーターで試算してみてください。
総額を見るときは、広告の「安さ」の内訳にも注意が必要です。
「安い」に潜む3つの落とし穴
月額0円でも、決済手数料で回収される構造がある
「月額0円」プランの多くは、注文経由の決済に手数料がかかります。Airレジ オーダーの店外(テイクアウト)版は月額0円+注文額の3%、STORESのテイクアウトプランも決済手数料型です。
手数料3%の実額は、モバイルオーダー経由の売上が月10万円なら月3,000円、100万円なら月3万円。固定費が変動費に姿を変えているだけで、無料ではありません。
初期費用が「要見積」のサービスは総額が読めない
diniiのように初期30〜40万円クラス・要見積のサービスは、大型店には合理的です。しかし席数30以下の個人店では、投資回収の計算が立てにくいのが実情です。
本体以外の周辺費用を忘れない
ユビレジのQRオーダーはPOS本体(月額7,590円〜)が別途必要です。Airレジ オーダーもキッチンプリンター利用で初期110,000円がかかります。本体価格の外側の費用も、総額に含めて比べましょう。
落とし穴を避けたら、最後は自店の条件に当てはめて選びます。
自店に合うサービスの選び方チェックリスト
- 事前決済・キャッシュレス連携が必要か? 必須ならSTORES・Square・diniiなど決済連携型から選ぶことになります。手数料はその対価です。
- POSレジ連携が必要か? すでにスマレジやユビレジ、Airレジで売上を一元管理しているなら、同系列のオーダーサービスが自然です。
- 月商規模と利用年数は? 月商が小さい店ほど固定月額の重さが効きます。長く使うほど、買い切り型の総額メリットが大きくなります。
- 会計は今のままでよいか? 注文だけスマホにして会計は既存レジのままなら、決済機能なし型(タクメニュー、Cloud Menuなど)で十分です。小さな店での使い方は小規模店向けQRオーダー入門で解説しています。
最後に、当サイトのサービスの立ち位置も正直にお伝えします。
タクメニューの位置づけを正直に
タクメニューは29,800円(税込)買い切りのみで、月額0円・決済手数料0円です。お客さんはアプリも会員登録も不要、店側はスマホ1台で注文を受けられます。メニュー登録・QR発行・通知テストなどの初期設定は運営が代行し、支払いは動作確認後です。
向いている店は、注文の聞き取りに手が回らない小さな店。会計は既存レジのままでよく、2〜3年以上使うつもりの店です。決済を挟まないため手数料が構造上ゼロで、個人情報も取得しません。
向いていない店も明記します。事前決済やPOS連携が必須の店には不向きで、ブラウザで注文する仕組みのため電波の届かない(圏外の)店舗では使えません。また、短期利用が前提なら月額型の方が総額が安く済む場合もあります。
導入の流れや条件は契約・導入の流れにまとめています。
検索でよく見る質問に、短く答えます
モバイルオーダーの欠点は?
代表的なのは3つ。①お客様のスマホ操作に依存する(高齢のお客様が多い店では口頭注文と併用できる方式を選ぶ)②電波の悪い店内では使いにくい ③決済連携型では手数料が売上に比例してかかる。料金の欠点は「構造」を見れば導入前に避けられます。
モバイルオーダーは面倒?(お客様側の本音)
「アプリのダウンロード」「会員登録」「カード情報の入力」を求められると、お客様は面倒に感じます。逆に、QRを読むだけで注文でき、支払いは今まで通りレジで済む方式なら操作は1分もかかりません。面倒かどうかはサービスの設計次第です。
いちばん安いのはどこ?
「何年使うか」で答えが変わります。短期間なら月額0円+決済手数料型、2年以上使うなら買い切り型が総額で安くなるのが基本構造です(本文の24か月総額比較参照)。
無料のモバイルオーダーはある?
「月額無料」をうたうサービスはあります。ただしその多くは、注文に紐づく決済の手数料(3%前後)などで収益化する仕組みで、「無料」は「月額が無料」という意味です。売上が伸びるほど支払いも増えるため、完全にコストゼロで使い続けられる業務用サービスは、公表情報の範囲では確認できませんでした。なお、Googleフォーム等を使った0円の自作という方法はあります(自作の現実と費用比較の記事で手順と限界を解説)。
「無料」のサービスはなぜ無料でやっていける?
決済手数料・上位プランへの誘導・周辺サービスの販売のいずれか(または組み合わせ)で収益化しているためです。無料の理由を規約・料金ページで確認してから使い始めると、あとで「思ったより引かれている」というすれ違いを防げます。詳しくは手数料0円のカラクリの記事で構造から解説しています。
まとめ:料金は「金額」ではなく「構造」で選ぶ
サブスク型は機能と引き換えに払い続ける。決済手数料型は売上に比例して払う。買い切り型は最初に一度だけ払う——正解は店ごとに違います。
共通する判断軸は「24か月・36か月の総額」と「決済連携が本当に必要か」の2点です。まずはシミュレーターで自店の条件に当てはめて、総額を確かめてみてください。
※本記事の他社料金は2026年7月確認時点(ひまわりオーダーは2026年8月5日、QR注文くん・EASY ORDER・ビヨンド注文は2026年8月9日確認)の公表情報に基づきます。料金・プランは変更される場合があるため、最新情報は必ず各社公式サイトでご確認ください。税込・税抜の別は各社の公表表記に従っています。
この比較表の調査方法・更新履歴
調査方法:掲載する他社の料金は、各社公式サイトの公表情報のみを情報源とし、確認した日付を明記しています。比較サイト・まとめ記事の数字は使用しません。公式サイトで確認できない項目は「—」または「要問い合わせ」と表記し、推測で埋めません。当サイトはタクメニューの運営者(利害あり)のため、この方法を固定し、毎月の再確認時も同じ基準で更新します。
更新履歴:
- 2026-08-09:低価格帯のQR注文くん(月額980円)とEASY ORDER(無料・広告表示)を比較表に追加。あわせて「買い切りが常に安いわけではない」旨と、月額980円との逆転点(31か月目)を本文に明記。ビヨンド注文の決済手数料は公式に記載がないため「公表なし」に修正。
- 2026-08-05:買い切り型の実例としてひまわりオーダーを比較表に追加(公式サイト2026年8月5日確認)。「検索でよく見る質問」5問を追加。
- 2026-07-08:初版公開(主要9サービス・24か月総額比較)。